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星名☆暗譜を語る!

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発表会でピアノの人は殆どの人が暗譜で演奏しますが、管楽器の人は殆どの人が楽譜を見ます。
これは音楽大学でも同様です。音(譜)の数はピアノの方が桁違いに膨大で、管楽器はメロディー
だけですし、曲もそんなに長くないのに、何故管楽器の人は暗譜が出来ない(しない)のでしょうか?
先生に聞いてみて下さい。多分、即答出来ません。先日もバイオリンの先生が首を傾げていました。
バイオリンで暗譜しなかったら、「さらわなかったと見なされる!」と。
しかし、管楽器の人は記憶力が悪いと早合点してはいけません。これには理由があります。
 説明しましょう。
ピアノ、ギター等、音(の位置)が見える楽器、音の並びが単純明快な楽器は暗譜し易い。
ピアノは左から右へ低音から高音へと明快に並んでいます。
弦楽器は、弦が音の高さの順に並んでいますし、押さえて弦が短くなるにつれて高音になります。
又、特定の音を出すのに使う指が少ない楽器は暗譜し易い。上記の楽器は特定の音程を求めるのに
使う指は一本です。
 更に、特定の音を出す位置が一箇所の楽器は暗譜がし易い。
バイオリン、ギターは同じ音程を複数の箇所で出す事が出来るますが、ピアノは一箇所です。
つまり、音(鍵盤)が整然と目に見える状態で、低音から高音へと一貫性を持って並んでいるピアノは
実は人間の五感上暗譜し易い楽器なのです。
それに対して、管楽器の多くは音(の位置)(並び)が目に見えません。
複雑な半音操作、オクターブ操作があり、手前の指を使えば高音になるとかの
単純な一貫性はありません。
更に一つの音を求めるのに10本の指を同時にパズルのように複雑に駆使します。
早い連譜で音が変るごとにその10本の指を複雑に変化させていきます。
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次に、どんな本にも書いていない事を教えます。
今、自分の指を適当に動かしながらこの文章を読んで下さい。平気で読めるはずです。
次に口を大きく動かして、声は出さないで、ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ と
口の形だけ作りながら、この文章の最初をもう一度読んでみて下さい。
非常に読みづらく、文字は目に映っていても意味が伝わってこない感じが分かると思います。
つまり、管楽器の人は口を使って、一音ごとに口を変化させて・・正確には体全体ですが・・演奏しています。
すると、何故か、口を使うと他の事に神経が回りづらくなります。これは管楽器の言い訳ではありません。
管楽器を知らない人は息を吹いていれば良いと思っているかもしれませんが違います。
常に一音一音口を変化させて音をコントロールしています。
又、ピアノ、ギター等は自分の指を見て演奏する事が出来ます。指は音(の位置)でもあります。

それに対して、殆どの管楽器は指を見ながらは演奏出来ません。
寄り目で無理に見たところで指と音(の位置)の相関関係はありません。
以上あげた理由により、口を使わずに指だけで(足も)演奏し、音階の並びが低音から高音へと
一貫性のある楽器は比較的、暗譜がし易く、口を使い、音階が見られない管楽器は、何となく練習
している内に自然と暗譜してしまうというメカニズムが働きません。
ですから、管楽器で暗譜するのは、旋律だけなのに実は意外と大変なのです。

勿論、ピアノの場合等は音(譜)の量が膨大で、音域も広く、同時に幾つもの音を弾かなければならず
それはそれで大変です。
付録講座
 管楽器は一つの音を求めるのに10本の指を使うと書きましたが、ホルンやトランペット等は指は3本しか
使いません。
これって簡単だと思います?その足りない指の分を、微妙な口と体の変化で補なわなければ
音になりません。音大のオケの授業で、変な音を出して睨まれるのはトランペットが一番多いらしい。

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